トレーダーはなぜ損切りをする羽目に陥るのでしょうか。そしてなぜ初心者は損切りばかりで資金を減らしてしまうのでしょうか?あるいは逆にいつまでも損切りをせずに強制ロスカットになってしまうのでしょうか?今日は損切りの構造を解明したいと思います。

FXの入門書には大抵、損切りが大事であると書かれています。資金管理、リスク管理をすることが成功への道であると。確かにそれはその通りなのですが、ではその損切りを入門書通りにやるとどうなるか?大抵の場合、失敗します。何故か?

よくある損切りの方法として資金の1%とか2%以内にせよという資金管理の観点からの設定方法と、「エントリーの根拠が崩れたら損切りする」や「強いレジサポを割り込んだら損切りする」などのテクニカル分析の観点から設定する方法があると思います。どれも損切りという観点で考えれば正しいと思いますし、私もこれらを組み合わせて損切りしています。

しかし、FXを始めたばかりの頃はうまくいきませんでした。例えば資金の2%という設定ですが、レバレッジ3倍ぐらいでトレードすると約70pipsに相当します。デイトレで70pipsの含み損を抱えるとかなり大きいです。また、ロスカットに引っ掛かった後に反転して上がっていくこともしばしば。そして思うのです。損切りしない方が良かったと。

ではテクニカル分析の観点からの損切りではどうでしょうか?

これもうまくいきませんでした。例えば「強いレジサポを割り込んだら損切りする」で設定した場合、もちろんすくわれる場面もあるのですが、やはりロスカットに引っ掛かった後に反転して上がっていくのです。そして反転していったことだけが強く印象に残っているのです。また、レンジ相場ではヒゲでレジサポを割ることもあるので機能しにくく、「戻ってきた」という印象が強まります。

このような経験をすると本当に損切りするのが正しいのかどうか疑問が湧き、次第に含み損を抱えても「ここで戻るかもしれない」と淡い期待を抱きポジションを持ち続けてしまうのです。しかし、相場は非情です。そんな時に限って戻ってきません。そして資金を大きく減らしてしまうのです。そのような経験がある人は少なくないでしょう。

なぜ損切りがうまくできないのでしょうか?なぜ損切りをすると反転してくのでしょうか?

突き詰めていくと全てエントリーの悪さに帰結します。初心者トレーダーが損切りばかりになってしまうのはこれが原因です。

損切り後に反転して伸びていくということはエントリー方向のトレンドは合っているということです。しかし例えばレジサポ割り込みで設定した損切りポイントで反転していくということは、多くの人は逆にそこでエントリーしているということです。この例で言えば、当初設定した損切りポイントまで引きつけてからエントリーすれば含み損を抱えることなく利益を得ることができます。もちろん更に逆行する可能性はあるので、そのときにこそ損切りが役に立つわけです。あるいは損切りポイントをもう少し深くすることでも解決可能かもしれません。しかしこの場合は、建玉サイズも見直さないと本当に損切りとなった場合の損失が増えてしまいますので注意が必要です。また、レンジ相場なのかトレンド相場なのかでも変わってくるので、その見極めも必要です。

逆に、損切りせずに含み損がどんどん増えていくということは当然ながらエントリー方向のトレンドが間違っているということです。根本的な見直しが必要でしょう。

どちらにしてもエントリーが悪いから含み損が発生し、最終的には損切りをするはめになるのです。損切りが上手くできないと悩んでいる人は、本来、まずそもそも原因であるエントリーを見直すことからスタートすべきなのです。

入門書はこの辺のことをもっとはっきりと書くべきだと思います。「FXで成功するためには損切りは大事だが、それ以上に大事なことは損切りをしなくても済むようなエントリーポイントを探すことである」ということを。

もちろん、いくらエントリーの精度を上げても失敗はあります。また、テクニカル的には正しいエントリーだったとしても要人発言など急なニュースで急反転する場合もあります。そもそも損切りとはそのような場合に備えて設定しておくものなのです。

私の損切りの設定方法は、自信のあるエントリーの場合は値幅(5pips)で設定します。ほとんどの場合はすぐにエントリー方向に動いて建値にS/Lを動かして実質的に損失をゼロにできます。また、やや自信のないエントリーではすぐに損切りとなることが多いです。

これだけならほとんど損失は出ないのですが、たまに不用意なエントリーで含み損を抱えてしまうケースがあります。このような時、私もなんとか救い出したいと思って抱えてしまうことがあるのですが、そんな時はここを抜けたら本当にまずいというテクニカル的なラインで損切りを設定します。理想的にはそのラインで損切りをしても資金の2%以内にしておきたいのですが、オーバーすることもしばしば。こういうケースはできるだけ減らしたいです。

要人発言のような急な変動が起きた場合、大抵の場合はテクニカル的な節目で押し戻されて元の位置に戻ってきます。逆にその節目を抜けていくようなニュースの場合はトレンド発生の起点のなる場合があります。また、特に大きなニュースがないのに急反転していくケースもあります(こちらの方が危険かも)。そんな時でも例え5pipsで損切りになっても方向を見極めて再度エントリーすれば十分に挽回可能です。

私がよく失敗するケースではこのような急反転をしたときに、一度は5pipsもしくは建値で損切りしたにも関わらず、再エントリーで方向性を見誤り、トレンド転換に気付いたときは割と大きめの含み損を抱えてたりします(先に述べた不用意なエントリーの大半はこれ)。このようなケースでは動きが急なため、咄嗟の判断が要求されます。人間の心理的に「戻ってきたら悔しい」とか「損した」という気持ちが働くため、つい元々のポジション方向にエントリーしてしまいがちです。しかし、それが失敗の元です。 5pipsの損切りを慌てて取り戻そうとして更に50pipsの損失を発生させるような事態になりかねません。これは冷静に考えれば極めて不合理な行動ですが、咄嗟の心理ではこのようなことをやってしまうものです。

急な反転での損切り後は慌てず、ゆっくり見極めてから入り直しても遅くありません。特にトレンドが転換するような場面では大きなチャンスになるケースもよくあります。慌てて含み損を抱えていてはそのチャンスに乗れません。私も今後の課題としてこの点は気をつけていかなければならないと思ってまいす。