トレードをする上では体調管理も重要な項目の一つです。特にメンタル面を充実させておくことは非常に大事です。これもまたスポーツから学べるものが多くあります。それがゾーンです。ゾーンとは何か?心理学ではフロー(Flow)と呼ぶらしいですが、集中力が究極的に高まった状態のことだそうでです。スポーツ選手のゾーン体験談などを読むとその心理状況は理解しやすいと思います。

<ゾーン体験は誰にでもできる>

ゾーンとは必ずしもトップクラスのスポーツ選手のみが体験できるものではありません。条件さえ揃えば誰にでも体験できるものです。スポーツや楽器などの経験があれば、その状態を経験したことがある人も多いかもしれません。

簡単に言うと、何かをするときに余計な雑念はすべて消え、周りの雑音も一切聞こえなくなり、そのしようとする行為に集中している状態で、且つ頭で考えることなく体が自然と動く状態。ということでしょうか。このような心理状態では自分の能力が限りなく100%に近い状態で発揮されるので、いつも以上のパフォーマンスができたと思えるのです。

私もゾーン体験は何度かあります。

例えばビリーヤードをしているとき。ブレイクショットの後、残った的球をどのように落していくべきか全てのシナリオが一瞬にして思い浮かぶのです。そして実際に9ボールまでノーミスで落し切る。これは私にとってのゾーン体験ひとつです。ポイントは頭で思い浮かべるだけでなく、実際に体を理想通りに動かすことができたということです。余計な雑念も迷いもなく、ただひたすら玉を突くことに集中できたのです。どのようなスポーツでもそうですが、頭でわかっていても実際にその通りに体を動かすということはなかなか難しいものです。ゾーンに入るとそれがいとも簡単にできてしまうのです。他にもスキーやサーフィン、ギターやピアノでいつも以上のパフォーマンスができたと思えることは何度かありました。

ただし注意しなければならないのは、いくらゾーンに入っても、元々自分が持ってる能力以上のものは発揮できないということです。私がいくらゾーンに入ろうとも、プロにはかないません。あくまで自分にとっての最大限のパフォーマンスしかできないということです。すなわちゾーン状態で力を発揮できるのは日頃から練習を積んでいるようなものに限られますし、元々の能力向上にはゾーンとは関係なく日々研究や練習を続けなければなりません。

では、どうしたらゾーンに入れるのか?私はまだその方法を見つけていません。一方、トップクラスのスポーツ選手達はいつでもゾーンに入れるように日頃からメンタルトレーニングをしてると聞きます。

ゾーンへの入り方については今後の課題として、このような考え方をトレードに応用するとどうなるかを考えてみたいと思います。

<ゾーン状態でトレードをするということ>

トレード、特にデイトレードは究極的には目の前のテクニカルチャートからシグナルを読み取り売買注文を出し、目標に達したら約定する「作業」です。しかし常時動いてる相場においてゆっくり考えていたのでは間に合いません。注文をちょっとためらう間にタイミングを逃してしまうなんてことはよくある話です。シグナルが出てから注文を入れるかどうかを考えているようではもう間に合わないのです。いつでも注文を出せるように待ち構え、自分の待つ形になったらスッと注文ボタンを押すのです。そこに迷いはありません。それが理想のトレードです。

これをスポーツに例えると野球やテニスで飛んできたボールに対し打ち返すということと同じです。ボールが来てからどこへ打ち返すかを考えているようではもう間に合いません。ボールが来たら体が勝手に反応するのです。ゾーンに入れば頭で考えなくても練習でやってきたことが自然とでき、どこにバットを出すべきか、どこへ打ち返すべきか、などを瞬時に判断して体が反応するのです。

トレードも同じです。繰り返しになりますが、自分の待っている形になったら迷ったり考える必要はありません。ただ注文ボタンを押すだけです。もし究極的に集中力が高まった状態、すなわちゾーン状態に入っていればそれができるはずです。

もちろん、これだけでは本当に利益が出るようになるのか疑問かと思います。

その疑問は当然です。このような状態でトレードができるようになるには前提条件があるからです。その前提条件とは自分のトレードスタイルを確立している必要があるということです。先にも説明しましたように、ゾーン状態で力を発揮するには、日々練習を積んできたようなものに限られるのです。

すなわち、前回記事のFX版「石の上にも3年」とか「1万時間の法則」のごとく、まずは集中的な練習期間を経て基礎的な知識やテクニックを身に付けることがまず先で、その身に付けた力を最大限に発揮するために集中力を高める、すなわちゾーン状態に入ってトレードするという順番になるんだろうと思います。

究極的に集中力が高まっている状態というのは、必ずしもチャートに釘付けという訳ではありません。長い時間足を見ながら全体を俯瞰しながらも、短い時間足で直近の動きもきっちりと把握しています。テクニカル分析だけでなく、ファンダ分析(というかキーワードを知っておくぐらいで十分と思ってますが)もしっかりと行いながら自分の形になるまでリラックスして待っているのです。そしていざその時が来たら一気に集中力を高めエントリーのタイミングを見ながらトレードを開始するのです。

このようなスタイルのメリットはリスクが究極的に少ないという点です。基本的にはボールが飛んでくるまではバットは振りません。すなわち動き出す直前まではノーポジです。ピッチャーが振りかぶったらバットを振る準備に入ります。すなわち相場が動き出すシグナルが発生してからエントリーします。早いときは5分か10分で決着します。長くても1時間くらいでしょうか。(もっと長引くときもありますが、長ければ利益が伸びるというものでもないのが難しいところ)

相場の状況をしっかり把握できていれば攻めるばかりではなく、守りにおいても適切な判断もできます。

また、細かい分析が不要なので週末はトレードのことを全部忘れて遊ぶことができるのも大きなメリットです。

<少しでもゾーン状態に近付くために>

先にも言ったように、まずは自分のトレードスタイルをある程度確立していることが前提です。その上でトレードするときに私が心掛けてること。

できるだけ静かな環境でリラックスして臨む
十分な睡眠を取る
トレードの前日(日~木)はお酒を飲まない

などでしょうか。もっと突っ込んだゾーンへの入り方については今後メンタルトレーニングの本などを読んで研究していきたいと思ってます。

まだ自分のトレードスタイルが定まらない人にとってはピンとこない部分も多いと思いますが、目指すべき理想のトレードスタイルの一つではあると思うので、理想の姿を意識することで、今やるべきことも見えてくるのではないかと思います。

とりあえず投資関係の本ではこの本が有名らしいので紹介しておきます。kindle読み放題対象なら読んでみようと思ったんですが、今のところ対象外なのが残念。


ゾーン — 相場心理学入門
マーク・ダグラス
パンローリング
2002-03-13