新潟県加茂市の市長が、市内で発生した中学生の自転車・自動車の衝突死亡事故を受け、小中学生向けに「自転車に乗らない方がよい」という文書を配布して波紋を呼んでいるようです。関連記事(毎日新聞) 

毎日新聞の記事によれば、これに対し批判の声が多いようでありますが、こうした市長の考え方は原発事故後、全ての原発を止めていることを受け入れている人にとっては 共感できるのではないかと思います。にもかかわらず、加茂市長を支持する声は聞こえてきません。なぜでしょうかねー。

交通事故は自分には起きないと思っているのでしょうか?もしそうだとすればそれはとても甘い考え方だと思います。交通事故はいつ自分が被害者になっても不思議ではありませんし、逆に加害者になる可能性もあるのです。

交通事故で死亡には至らなくても、軽傷や物損事故なら誰しも1度くらい経験があるのではないでしょうか?ヒヤリ・ハットまで含めれば1度もないという人はいないでしょう。

 一方で、原発事故はどうでしょうか?少なくとも東日本大震災レベル以内の自然災害であれば直接的な被災の可能性は周辺住民以外はありませんし、放射線による健康被害についても自動車事故に遭遇する可能性に比べれば格段に低いです。また、それ以上の大震災が起きたときは原発があってもなくても多くの人が命を落とすことになるのです。

原発事故による被害低減を考えるより、交通事故の低減を考える方がよっぽど多くの命を救うのです。

例えば、これからの高齢化社会。高齢者の自動車の運転は非常に危険があります。先日も都内のショッピングセンターの駐車場でアクセルとブレーキを踏み間違えて3階から転落するという事故がありました。関連記事(朝日新聞)こうしたアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故で報道されるのは死亡・重傷事故のときのみで物損事故は頻繁に起こっています。人身事故になるか物損で済むかはほとんど運で、運転手の操作ミスという根本的な原因は同じです。もちろん、こうした事故は高齢者のみに起きるわけではなく、若い人でも起きる可能性がありますが、判断力・認知力が衰えてくる高齢者の方が確率は高いです。高齢者の方々も自分の力の衰えを感じ、「車を運転するのが怖い」という人も少なくないです。 

子供の事故防止、高齢化社会への対応ということから考えても、自動運転に関する研究開発は喫緊の課題です。技術的にはだいぶ確立されてきたので、あとは実路での実証試験を通してデータを積み重ねる必要があります。

そうした実証試験の場として、加茂市には是非名乗りを挙げてもらいたいものです。「自転車に乗らない方がよい」などと後ろ向きな発言をするよりも、「自動運転都市にする」と宣言した方が未来志向ですし、世界に先駆けた先進都市として世界にアピールすることもできます。

自動運転は単に自動車の開発に留まりません。交通システム全体の課題なので官民一体での取り組みが重要です。加茂市は場を提供し、研究開発費は関連企業と国が負担すればよいのです。 

今のところ車の自動運転に関する取り組みは今のところGoogleが先行しています。トヨタや日産も追随していますが、あくまで自動車メーカーとしての取り組みに留まっているように思います。日本にはGoogleのような存在がいないことが弱点に思えます。今のままでは自動運転の分野ではGoogleに主導権を握られ、最後には産業会における日本の自動車メーカーの地位を奪われてしまうでしょう。

Googleに一糸報いるためにも加茂市をモデル都市として自動運転システムの構築を試みてもよいのではないでしょうか